施術法

背骨に関しては俺は患部を直接矯正はしない。身体全体のバランスを診て、患部にかかる負担をとっていく。これで十分だ。膝とかだと例外もあるからね。膝を直接矯正することもあるよ。背骨に関しては、それをやるとかえって全体のバランスが崩れて早く元に戻っちゃう。患者さんからよく聞くけど、「やった時はいいんですけど、すぐ痛む」というのはそこにある。たまに若い女性だと矯正とはすぐ元に戻っちゃうていでしゃべる人もいるからね。女性に関しては理論よりフィーリングかもしれないけどさ。そこはそれ以上掘り下げはしないけどさ。俺も開業したばかりの頃は、どこか不安があったのかなぁ。患部を矯正したくなる衝動に駆られてね。やっちゃったら最初から全部やり直しだもんよ。今ではそんな衝動に駆られることはないね。ただし、これはあくまで俺のやり方だからね。他を否定することにつながるからこれ以上は言わないけどさ。よく「先生の腕はすごい」と言われるけど、これは藤原組長が言う「ほかの人が知らないことをやってるだけの話に過ぎない。」空手の上達方法も同じだが、理屈、からくりをよく理解してからの方が上達は早いのと同じだ。剣豪千葉周作は「技から入るは上達遅し。理から入るは上達早し。」と言っていた。この施術法もわかれば簡単な話で、分からぬままテクニックに入るから人に喜ばれる治療ができない。そんな治療家が多いのはそこにあるんだよ。