空手上達法

空手というと、格闘技で痛いものだし、それこそ大変な努力と修練をしてささやかな結果が出る。俺は実際若いころはそう思っていたよ。それこそ練習はきつかった!逃げ出す人だっていっぱいいたよ。じゃぁいま改めて空手を振り返ってみて本当にそうなのか?努力を全然しなくてもいいとは言わねぇよ。でも武道、武術の達人てなぜそう言えるのかを考えてみたんだよ。彼らの多くはみんなができることがなかなかできず、トラウマにさえなっている人が多い。だからこそみんながやらないことに取り組む。だから空手で言えば道場の優等生がなるものではないんだよ。むしろ達人は一人でも練習できて、一人で自分を客観視することもできる。道場からは出てこない。結局、みんながやっていないことだから気が付かないだけの話だ。簡単に言ってしまえば手品にはちゃんと仕掛けがあって超常現象でも何でもないのはご存じの通り。からくりをよく理解して練習すると上達は本当に早い。でも、努力、修行が全然いらないわけじゃないよ。手品師はからくりがばれぬよう大変な努力、修練がいる。でも、スポーツ競技と比べると、武道というものをしっかり理解さえすればはるかに楽な練習だ。今小学3年生のはやと君は選抜クラスにも参加しているが、きつい練習をやっているわけじゃなく、主に説明だ。これを踏まえた練習をしているだけだ。技術はほかの道場生と比べても高いよ。現在紫帯でも有段者でも簡単じゃないことをやってのける。まだまだ失敗はついて回るが。ただし、基礎的な体つくりは誰しも同じでやらなければいけない。形で実戦に必要な身体を作る。そのうえで行うことだ。だから神がかった存在になってふんぞり返るような先生は本当にこの武道のからくりを知っているのか?藤原組長も言うけど、「自分が他の格闘家にやられずに技を極めてしまえるのは相手がその技を知らないだけだ」とね。自分だけが特別な存在だってことを否定している。これが本当の達人じゃないか。