武道とは

武道とは何ぞや?と聞かれたら。そうだなぁ、競技は比べっこ、言ってしまえば争いが生じる。武道は矛を止める道だからな。愛だな。平和だな。自然だな。人間は必ず誰かの助けや見守ってくれる人があって初めて生きていけるんだってことを感じることだな。大会なんかで優勝とかするとつい、そういった当たり前のことを忘れてしまう人が多い。道場で練習していればまだ大丈夫かもしれないが、父兄は練習しているわけじゃないからな。勘違いする人を見かける。うちの道場の一般部で練習している大越君は大会の応援の為に会場に駆けつけてくれたことがあるが、こう言っていた。「大会は空手を練習している人間が集まって格闘技をしているだけであって、それは武道ではない」そうなんだよ。格闘技をして優勝するのもいいけど、それがすべてじゃないんだなぁ。健全な精神は健全な肉体に宿るという言葉があるけど、健全な肉体を持ってるから健全な精神を持ってるというわけじゃないよな。健全な肉体がなければ健全な精神は宿らないという事だ。格闘技を通じて感謝の心が磨かれなければそれは油断だ。武道はそれを技術で表せなきゃいけない。心技体だからさ。素人にそれを見せても分からないかもしれないが、やっている本人には本当の武道の良さを感じることが出来る。最高の至福の時だ。どうやったらそれを知るかだって?練習するか?じゃなければもう一度自分が置かれてる立場をよくよく考えなおしてみればいいんじゃねぇか。俺には現在、空手の師匠と呼べる人はいないよ。だからと言って誰の世話にもならず一人で生きているわけじゃない。空手をやっていない人間から学ぶことだってある。空手を教えているけど、逆に教わってる人間からだって学ぶことはあるよ。自分は多くの人に生かされてるんだってことだ。