準備体操

スポーツにはついて回るよね。これがなければ怪我をするよ。でも武道には準備体操自体がない。素人さんには何故か分からないか。いきなり敵が襲ってきて、「ちょっとまった!準備体操するから!」っていうわけには行かないよね。敵が襲ってきたときに「ちょっと待っててね、刀を選ぶからさ」なんて言ってたらあっという間にお陀仏だ。武道の練習事体が不測の事態に備えて身体を動かす事なんだ。練習事体が準備体操と言ってもいいかな。もちろん寝ていた状態からいきなり動かすのはよくない。整理運動はあるべきだね。純和会は武道としての動きが基本だから準備体操はない。もし必要だと思うならば練習前に自分でやっておくのが普通だ。まぁどこの道場も準備体操はやっている。本格武道の動きではないから必要になってくる。スポーツと割り切った道場が多いからね。純和会ももちろんそれで絶対怪我がないとは言い切れないから、特に少年部には細心の注意を払ってるよ。さぼるのが仕事なのが少年たちだからな。ケガ事体たいていの場合が怪我した本人の油断からくるものだ。怪我したり命を落とさないための武道だよ。その点一番油断するのは案外大人に多いかもしれない。初心を忘れた人間が多いからだ。俺は今、4トントラックの配送の仕事の見習いをやっているところだが、トラックの点検をやらずに出発してとんでもない目に遭った人間がたくさんいるそうだ。運転するのは自分だけど、トラックに命を預けているんだからさ。自業自得と言えよう。闘って勝つことが目的だと思われちゃうのが現代武道の姿だが、これはスポーツと変わらないことになってしまう。闘ったら間違いなく命を落としてしまうならうまく逃げるのも兵法だ。スポーツでは失格だけどさ。実戦にやり直しは聞かないんだ。そのための準備をする。これこそが武道だ。