中学生の部活

熱心な先生が指導者になるとその部活は毎週県外に試合に行ったりするらしいね。うちの少年部にいた子がそれで道場を離れてしまうんだけどさ。中学生になればそりゃぁ興味も部活に目が向きますからね。それはしょうがないんだけどさ。ただ、中学生だからね。まだ体が出来ていないんだよ。一般のスポーツっていうのは成人男性の集中力と体力に合わせて作られてるからね。それを中学生に勝ち負け重視とばかりにきつい練習と試合を課してしまう。ちなみにスポーツトレーニングは心臓への負担は半端ないからね。心臓は鍛えることが出来ない臓器だ。だからプロレスラーの心臓疾患による死亡例が後を絶たない。その点武道は違う。素人目で行くと武道もスポーツも一緒にしちゃってるから分からないだろうが。ていうか武道本来の姿が消えかけてるんだもん、素人が分かるわけもないんだが。だからうちの道場で痩せたっていう子はいないね。もちろん形は戦いに必要な身体を作るためにあるわけだが、よく武道の練習は心臓破りなものと勘違いされる。俺も若いころはそんな練習ばかりだったし、そんなもんだと思ってたよ。俺は本来の姿を追求してきたからね。今なら俺はよくわかるし、時代が時代だもん。強さとかよりも中身重視な時代になってきてるからね。実は体作りが最優先されてるものでスポーツのように他人と競うものでもない。俺の長女だが、ぽっちゃり系でね。おまけにおっとりしているもんだから、試合には向いてないかもしれないね。ぽっちゃりで素早い動きが出来なくても力が半端なかったりすればそれはそれでいい武器になるわけでね。でも練習が嫌だなんて言わないよ。昨日なんて日曜休日だったけど、とにかく半端なく遊ぶ。体力あるなぁとつくづく思い知らされた。4歳から道場練習をやってきたからな。けど、中学に入ってもそんな激しい部活に入れようなんて思わないよ。身体が作られる時期だろう。高校に入ってからなら存分やればいいと思う。生真面目な先生のエゴだよ。部活の勝ち負けも。