総合格闘技というけど

俺が20代の頃だったかなぁ。日本に総合格闘技が出てきたのは。みんなすげ〜すげ〜言って観ていたけどね。俺はあまり当時は興味持たなかったんだよ。特別凄いとは感じなかったもん。元々武道にはこのような何でもありのケンカは常々想定して稽古していたし、空手でも組み討ちのようなもつれあいなんかしょっちゅうだもん。グレイシー一族は特別強いっていうイメージはなかったな。空手にしても柔道にしてもプロレスにしてもみんな当時の選手は何か慌てすぎな感じを受けたね。空手も柔道もあくまで原点回帰すればどうって事ないレベルだもん。ただあの舞台に立つ人間はプラス体力持ってるだけの話でね。プロレスラーにしても、スポーツやエンタメ性を無視したケンカになるなんて事は日常だったはずだ。だから特別視した事は一度もなかったな。いつから柔道は組む事から始まってとか、空手は離れて競技するものって決めたんだ?そんな小さい概念で試合なんかすりゃあ、柔道をちゃんと原点回帰して稽古していたグレイシー一族にはカンタンにやられちゃうよなぁ。ただね、ああいう闘いってほとんどケンカじゃん!テレビでは良い子の小学生だって観てるんだ。両手を地につけている人間をサッカーキックなんて当時はクソガキでもやらなかったゾ!中継するべき代物とは思わなかったな。出てきた時は今さらと思っていたけど、でも今の空手家はスポーツ競技に流されて大事な事を忘れてきてしまっている。そう思ってウチでは総合格闘技を指導しているんだ。空手は接近してこそ力を発揮すると聞いてどう思うのかな。信じようとしない空手家は多いだろうな。離れては弱いかって?日本刀を相手に想定してもいるんだ。それこそ今以上に強かったんだ。だから昔、合気道家なんかはみんな刀を振っていたんだよ。女性でもカンタンに強くなると勘違いしてカルチャー化されてしまった合気道では刀なんか今では見向きもしない。刀は俺もたまに振るよ。逆に日本刀の良さも分かる。