居合

最近はよく居合の稽古をする。ときどき刀が求めてくるんだよ。「もっと振ってくれ」ってね。当然刀がしゃべるわけじゃないけどすごく感じることがある。あくまで俺の心のどこかにそんな気持ちがあるからなんだろうけど、たいていは10本から15本くらい形をこなすくらいなんだが、刀が叫ぶようにね。真剣には魂が宿るというけどこれは本当だよ。居合の定義に「求むれば興う」とあるからな。さらに稽古をする。気が付いたら1時間近くやってたりな。真剣で練習するとそんなに時間は必要ないんだがな。居合は心をいやしてくれる。何か自分の中でどうしたらいいか迷ったりするようなときは居合をやるといい。答えが出せるもんだ。たぶん、自分と向き合うんだからおのずと心の奥底にある答えが出せるのは理解できる。刀当然喋らねぇからな。自分との対話で必要なものだ。刀は人斬り包丁。だけど、ただの物ではねぇんだな。居合をやらない人間にはとてもわからないだろうが。いや、居合をやっててもここまで自分と対話できない人ではこの奥深さはわからないだろう。