スイッチ

空手の練習が始まってもまだスイッチが入るわけではない。2~30分くらい練習してるとスイッチが入る。そこでようやく「あぁ、これが空手なんだな」と自覚できる。飲み屋に勤めてる女性に話を聞いたことがあるが、酒を飲むと酔うわけではないんだけど、スイッチが自動的に入るみたいだね。それと同様だと思う。空手のスイッチが入ると言っても別に闘争心が湧くとかではないよ。切れるわけでもない。身体が自由に動く。組手をやるならこの状態でなくてはならないかもしれない。スイッチが入る前はウォーミングアップするとかでも全然乗らない。練習をしてもとにかく気持ちの意味も含めて今一つなんだよ。俺が若いころ、無門会に所属していた滝沢さんは同じことを言っていた。当時は意味がまったく分からなかったが、今になってみるとこの意味が分かってきた。スイッチが入って初めて空手。これが無心なのかもしれない。いつの間にかスイッチが入ってることもしばしばだ。むしろそんなものなのかもしれない。意識してスイッチを入れようとしてもそれは無理なんだよ。練習しているうちに空手モードになる。あれこれ違う事に気を取られながら練習している子供などをときどき見かけるが、これではスイッチもくそもない。空手になるわけもないし、怪我するから喝を入れるよ。