No.1からOnly1

俺が空手を始めた頃はまだ15歳。強くなりたい一心だったなぁ。高校の時出た大会で反則負けをやらかしておきながら、ルールのせいにしてな。実戦的な空手に目覚めて無門会に入門した。やりたかった無門会の本部がたまたま当時俺が住んでた八王子にあったのも凄い奇跡なんだけどな。そのままのめり込んでケガしようが交通事故で死にかけようが凹まなかったんだ。結局心身共にボロボロになってな。無門会は辞めた。しばらく練習なんかしたくもなかったよ。全て虚しくなってな。強さばかりを求めた結果だよ。当然の結末だ。そのうちに近所の子供が空手を教えてくれと来て、細々と空手を教えるようになって元気を取り戻したんだよ。後に清心流支部として合流する事になって本来の武道の在り方を追求するようになってな。今は独立して純和会を設立したんだ。空手で傷ついて空手で生かされたんだ。空手を通じて皆さんに貢献できるなら幸いだと思って稽古に励んでいる。まあ、今も波乱といえば波乱の日々だけどな。