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無門会に在籍していた頃、春合宿かなんかかなぁ。40人組手をさせられてね。まだ茶帯の俺にはきつかった。相手には三段の人もいるくらいだからさ。怖かったね。逃げるにも三段の人はそれすら読んで攻撃を仕掛けるからね。逃げるも不可能でね。でも首の骨折って死んでもいいと覚悟を決めて前に出たんだよ。そうしたら三段の人ですら下がっていたんだよ。見ていた会長も思わず立ち上がったくらいだからね。俺はあれで初めてちょっとは出来るもんだなと自信を持つ瞬間だった。喧嘩にしてもやりたくないなんて思ってると絡まれたりする。いつでも臨戦態勢をとっていたら喧嘩にはならない。こういうのって相手には伝わるもんなんだね。若い頃のようには動けないよ。けど覚悟決まると手を出せなくしている。尤も若いのにはない技もあるからな。負けはしないけどさ。