病気、怪我との戦い

今の道場ではありえないね、絶対。道場でけが人が出ようものなら叩こうとする人間までいるからな。これは無門会での練習であった話だ。右肩の脱臼は癖になったなぁ。それもそのはず、普通なら1か月は休養が必要なのに、1週間もすると練習に復活してな。酷い時は激痛の関節を自分ではめなおしてそのまま大会に出たりな。結局は手術することになった。鎖骨骨折もあった。手術で金具を骨に当てて1年間そのままにすることになった。でも普通の人より治りが早く、半年で金具を外すことに。これは清心流時代だけど、40度の熱を出しても一晩で平熱に戻り仕事もした。8度5分の熱で病院へ行った時も、先生に対する挨拶の時点で普通の人と違うみたいね。熱を診て「8度5分?元気だねぇ!」そのまま仕事に戻った。風呂場で滑って脛のあたりがはれ上がり、すぐ病院へ行ったら内出血だったんだけど、レントゲン写真を見て「きれいな骨ですねぇ。何かやってるんですか?」と聞かれた。尤も今ではこんなに治りは早くねぇだろうがな。若かったし、人より自然治癒力は鍛えてる分、早かったと思う。医者にびっくりされることはこのほかにもある。ろっ骨を骨折しても病院へは行かず、自分でなおしたりな。俺はこんなだったから、治療室を開業するにはもってこいの人間だったんだろうね。何年かに一度俺にあこがれて(どこで知ったのか知らないんだけど)治療を覚えたいとか弟子入りしたい人が出てくるんだけどさ。簡単に挫折してしまう。自分自身をモルモットだと思って実験できるくらいじゃなきゃ無理だろうなぁ。