自分で自分を律するのが武道

今日は昼には教育委員会へ行って、学校に配布するチラシを置きに行かなきゃならない。前に「後程チラシを持ってきます」と言っておいたんだけどね。さっき電話でアポ取った時、「前に言ったチラシをそちらに持っていきます」と言ってるのにもかかわらず、「申請用紙をお渡しすればよろしいんでしょうか?」なんて頓珍漢なことを言うんだよ。あれだけ仕事中ボケてて給料もらえるなんて楽でいいなぁと思うけどな。こっちからすれば当然カチンとくるよ。ただ、あの人たちは基本的に自分の個性は殺さなきゃいけない。みんなと足並みそろえていく。俺にはできないけど。だから俺が独立するとき、公務員だった親父は俺のやることが理解できなかったんだよ。「何でみんなと同じことをやらねぇンだ?」「自分のやってること恥ずかしいと思わねぇのか?」だからな。親父は退職して今まで規則に縛られていたものが一気にはじけて我が物顔で人に迷惑をかけるようになった。その点武道に規則はない。ただ、自分で自分の欲を抑制していく。公務員みてぇに一気に欲を捨てさせるようなことは自分ではできない分、無理がない。誰かに縛られるわけでもないから、解き放たれて我が物顔になるってこともない。ただ、少年部に関していえば、自分から律するなんてことはできねぇからな。こういうもんだと教えていかなきゃならないから、道場を離れると突っ走っちゃう子もいるね。うちの長女も道場では油断しないものがはじけちゃって、注意力散漫になっちゃうところもある。慣れてくると自分からできる様になる。公務員に不祥事が相次ぐのは自分というものを捨てていって、人格を簡単に否定されてしまうからね。その代わりに地位とか役職がついて生活が保障されるんだ。そこから離れると前についてた役職のおいしい所だけ残してやりたい放題やろうとしちゃう。いい歳して何やってんだと思っちゃうけどな。かわいそうな仕事だよ。考えてみればね。昔は公務員だとか社長とか医者とか人を上から見降ろすような人が道場に来て練習していたんだよ。どうすれば人をコントロールできるかを悩んでいたんだね。それにはまずは自分をコントロールしていく必要があるからな。だから一般部では自分から率先して練習するんだよ。自分がふんぞり返ってたら大人なんか誰も練習しねぇゾ。