ある大会案内

うちの道場にある団体主催の大会案内が来ててね。名誉棄損につながるから名前は出さないけど、俺は出すつもりはない。ルールって毎回少しずつ整備されていくものだけど、自分の道場に有利なようにルールを整備しちゃってるんだよ。その道場からは当然入賞者がいっぱい出るけどさ。その団体、決して弱い団体ではないよ。うちの道場で大会ではバンバン活躍していた子がいたけど、その道場のA君にはなかなか勝てなくてね。でも、A君は時間稼ぎだのせこいことをする。A君が負ければ親父は怒鳴りつける。一生懸命闘ってるのに可哀そうだと思ったね。それにせこい手を教える指導者がいるってことだ。トップの人がせこくなくてもそれを容認しちゃってることにつながるわけだから、そう考えると信用できなくてね。みんなが楽しめる大会ならいいけど、自分らだけが楽しければいいと言うのはどうも腑に落ちなくてさ。純和会でも大会を主催しようかなんて話は出たことがある。それも公益性の高い大会にしたいし、そうなるとスタッフの数が必要だ。審判も必要になるだろう。審判もこういう自分ばかりが良ければいい人間なんて使いたくないからさ。ルールも俺にとってはどれがいいかなんて自分が現役で出てるわけじゃないから決めることもしづらいよな。その団体に俺も関わっていた時期があったけど、今は縁を切った。その団体の先生もいいことは言ってたよ。ルールを整備して、審判のスキルをアップさせて選手が活躍できるようにしていかなければならないってね。純和会が所属する国際統合徒手格闘技連盟。徒格連に所属する道場の大会もその点は見習う必要もあると思うがな。徒格連に所属している佐野の三関先生は10年以上の付き合いがあるが、「めんどくさいのはいないから入りなよ」と言ってくれたことで加盟した。俺が聞いたわけじゃないよ。でも、三関先生は俺がめんどくさい先生から離れようとしているのは知ってたんだな。それなら信用できると思った。