伸びてきた選抜クラスの二人

少年部は少年部育成クラス、選抜クラスに分かれる。選抜の子は俺が選んで伸ばしていく。選抜の子も普段は育成クラスに混ざって稽古している。選抜クラスは月2回。育成クラスが始まる一時間前に稽古する。たった月2回と思うかもしれないがこれで十分。育成クラスはとにかく基本的な事を徹底して行う。選抜クラスは基本がわかってきて、精神的にもぶれない子を選ぶ。空手の上達方法は技から入っても上達は遅い。理屈から入ると上達が早い。要は種明かしだ。それにしても段階を経ていかなきゃ理解しにくいけどな。今、りゅうしん君とはやと君が選抜クラスで稽古している。ここ最近の稽古で理解してきたのか、二人は本当に伸びてきた。普段育成クラスを見学している父兄もびっくりして観ていたよ。あまり根性論で指導しても今の子は伸びないぞ。尤も根性がゼロでは話にならねぇが。治療も同じだ。目先のテクニックを覚えても意味がない。理論から入って技を習得するといい。俺の治療の腕がすごいとか言われたりするけど、他の治療家との違いはそこじゃないかな。治療だって種明かしすれば簡単なんだよ。俺は北斗の拳に出てくるトキじゃないぞ。患部に触れるだけで治るなんてな。空手も根性論で伸ばす時代は終わったよ。ただコツコツやる必要はあるけどさ。言っておくけど手っ取り早く勝つ方法なんて考えるなよ。最近の親はそんなことを考える人が多いからさ。そんな方法があるならこっちが知りてぇよ。