武道は勝った者が強い

格闘技は基本的に、強いものが勝つ。武道は強い者が勝つとは限らない。試合ルールなんてないんだからさ。ケンカの強い武道の素人が勝ってもおかしくない。後ろからナイフでぐさりとやられれば、空手家といえどもちょっとかわせないよ。ちょっとばかり組手に自信あるからなんて言うのが命取りになる。ボクシングのチャンピオンクラスが立ち上がる前にのしてしまうような人はその辺の飲み屋にいても別に驚くことじゃないよ。でもね、本当に強い奴は喧嘩なんてしないよ。俺も夜の繁華街なんて行こうとも思わないよ。かかわらないのが一番だからさ。じゃぁ、なんのために武道をやってるのかって?常に自分を追い込み、苦しい思いをすることで人間味が出てくる。そうすれば輪が広がる。人と戦うためじゃなく、人と仲良くするためだ。そのためには男は強くなければいけないと考えてる。強さを比べたいならルールを限定して競うしか方法はないからさ。規則の中で生き、縛られた人って、そこから解放されると、無法者になりやすい。武道は自分自ら自分を縛るんだ。武道家が無法者になるとすれば、修行が足りないね。

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