正夢

朝早くタクシー乗務に出るときがあってね。その前夜、寝てる時に夢を見た。代行でだけど、喜久田町から鏡石町まで実車する夢だった。良い距離だな。今は俺は代行はやってないけど、タクシーにも代行ほどじゃないにせよ当たりがある。確率は低いけど、当たればタクシーはとんでもない距離を走ることもある。目が覚めたとき、「まさか、当たるんじゃねぇか」ってね。でも現実そんなに当たらないもんだよ。だからタクシーに乗り込んだときは気にも留めておかなかった。実際夜明け前は暇でね。まぁ、こんなもんだと待機中は居眠りしてたよ。でも、その後料金3000円台の仕事が3回も入ってね。日中のタクシー乗務は夜と違ってのんびりできるもんだけど、短時間で稼がせてもらったよ。あまり正夢なんてものは見ないんだけどな。今回は違ったな。金を稼ぐ夢もいいけど、いい女でも乗ってくれねぇかな。乗ったところで何だってこともねぇけどさ。これ以上書くと裕子が怒るかな。まぁいいか。道場や治療室でいろんな人と会う機会があるけど、タクシーとなるとその幅はぐっと広がるからな。その点いい勉強になってるよ。まぁ夢を見るならいい女が道場に入門する夢も見てみたいもんだな。ただの願望で終わると思うけどさ。実際うちの道場、女性に対しては裕子が指導するので、この冗談本気にされなくて結構だよ。