武道の技

分かってくると簡単だ。格闘技と武道を混同して考える人が多いが、格闘技のような心臓破りのトレーニングはいらない。でも、意識してると掛からないものでね。その点は人によっては難しく感じるかもしれない。意識してないとき、とんでもない力が出ちゃうものだ。もちろん筋力はいらない。意識してない時だからな。それが無心なんだろう。自然体でいると分かる。これは分かってくると気持がいい。大越君も何気なく練習してたら感じたみたいだ。え?じゃぁ武道って何?と聞こうとするかもしれない。武道は敵と同調して敵も味方も関係なくなること術だ。スポーツ化してしまった柔道の試合にもこれを生かして勝ちにつなげる人はいるよ。

自然体と言ったけど、勝敗にとらわれてたりすると、自然体ではいられないからな。当然焦ってもダメ。意外と自然体でいられない人が多いかもしれないな。武道の先生にも多いが、権力とか宗教的なものに走ったらとても自然体なんかあり得ないからな。結局は口だけで偉そうにするようになっちゃう。となると案外先生の方が自然体でいない人が多いから、先生の方が技をかけることが出来ないことになるよな。詐欺的なものに引っかかっちゃう人も自然体じゃない証拠だ。正直者は本来はバカを見るものじゃないという事だ。真の正直者になれてないことになる。こういう技を会得しようと思ったら、武道に慣れてる人なら初心を取り戻すことだ。素人なら自分とウマが合う師を探した方がいい。俺は柳川昌弘先生に手紙を出し、お返しにはがきをいただき、初心に戻ることを俺に勧めてくれた。