プロ意識

裕子の知り合いの美容師さんで、夫婦喧嘩して頭にきて、床を殴って手を骨折しちゃった人がいる。それで仕事ができないんだって。裕子には言ったよ。「そういうやつはプロじゃねぇし、三流美容師だ」ってね。仕事に支障が出るようなことはまずしないことだ。もしそういう事態になってもプロなら一般消費者に弱みを見せちゃぁまずい。俺は自分がギックリ腰になっても治療を休まなかったよ。脂汗が出てな。ただ、そういう経験があるからこそ自力整体とか空手に役立てたりできてるんだけどさ。美容師さんだろう?技術だけじゃだめだよ。うちの娘もお世話になってるから本人には言わないけどさ。だらしねぇな。まぁ、俺も組手だとか後先考えずにやっちゃったりするけどな。それでも一般消費者には関係ない話だ。どんなに疲れても体調が悪くても、空手指導は休まねぇし、治療だってするよ。美容師さんで手が道具なんだろ?ならば手を大事にするだろう。頭にきて床を殴るより、嫁さんをうまく追い出したほうがプロとしては不合格にはならないからな。今俺がバイトでやってるトラックもアルコール検知器は厳しい。当然だろう。プロがアルコールで引っかかっては、普通のドライバーにも顔向けできねぇよ。俺も飲酒量を調節するぞ。

昨日の少年部では久々に形稽古の時、俺がつきっきりでみんなを指導したよ。白帯の子にはわからなかったろうが、本来俺が指導したらあれだけの迫力が出るんだってこと。ただ、年中あれだけの迫力あったら固まって動けねぇだろ?だから普段は裕子に任せてるんだよ。甘い父兄なんかは帯状疱疹で気が立ってたなんて解釈しそうだけどな。それだったら最後にフォロー入れたりしねぇぞ。常に平常心だ。プロならここは念頭に置いてもらいたいねぇ。