技術とは

武道の技術に限らないよ、これは。技術っていうのはあくまで個人の物であること。個人個人の中に眠っているものであって、技術を習得するっていう事はなかったものを取ってつけるものとは違う。潜在能力というのかな。だから「この技は〇〇流の技だ」「俺の技だ」とかいう人がいるけど、違う人がつかってしまったらそれはその人の技だってこと。見た目が同じでも体のつくりとかは人によって違うんだから、中身は微妙に変わってくる。「俺の技をマネしやがった」なんて言う人もいるが、こういうことを言う人は技術を独り占めしたいだけであって何もわかってない。グレイシー一族がプロレスラーの桜庭氏に負けた後、「グレイシー一族のおかげで日本に総合格闘技が根付いたんだから負けではない」なんて言ってたけど、負け惜しみであって本当に武道家の言う事かって思ったね。この点、無門会の会長も分かってないなぁ。俺の元師匠だが。自分の門下生が試合で勝てば、「無門会の技術だ」と言うし、負ければ「ラッキーパンチだ」と言っちゃうところはとても残念に思う。負けたってそれはその人が至らなかっただけの話だ。勝ったって個人が強いだけで、無門会が強い証明にはならないよ。

話はずれるが、無門会の会長のことをいろいろ言う人がいるが、会長は独自の理論を持ってるが、あの理論を捨ててかかればあの人は最強と言えるくらい強い人だったよ。ただ、空手の世界は一時期、「わが流派が最強だ」とか地上最強の格闘技という言葉につられすぎてた時代だった。今は時代が違うが、そういう意味での犠牲者だと言える。チョッピリかわいそうな人だ。俺は道場から達人は出ないと思ってるから言えるけど、どこにも所属しないであそこまで作り上げた功績はでかいぞ。俺にとっては無門会には大きな影響を受けているよ。