道場生は家族

道場生は家族同様でありたい。昨日の一件で考えさせられてね。育ちがいいボンボンなところがあった子だが、一歩下がれば男が上がることが理解できなかったのは残念だ。一緒に稽古したことがある三瓶さんは「確かにそういうところありましたねぇ。」酒井さんは「本来、破門すべきでは?」という声が…。自分が間違ってないという自負があるなら、来なくていいとは言っておいた。反省したなら戻ってもいいが。上の人間に噛みつくんだからな。元気があって結構だが、そんなんで生活はしていけないよ。嫌でも思い知ることになるからさ。でも勇気は認めるよ。一人前扱いされたいんだろうねぇ。でも学生なんだからさ、親に甘えてもいい時期だ。学業をしっかりやってたら生活費だって稼げる暇なんかないよ。俺はこの子に対し、憎む気持ちなんかサラサラない。酒井さんは「その点説得してみても理解できないでしょう。速かれ遅かれ切れてたんじゃないかな」っていう。おそらくはもう来ないと思うが、心配ではあるね。切れるなんて嫌な言葉だけど、これは親の育て方に問題がある。自分の言うがままに育てるとこういうことになる。俺もそんな育てられ方をしていたが、俺は学生の時に脱落しちゃったし、その後、このままではまずいと思ったからね。自分の道を進むことになったが。それでもいばらの道だった。後悔なんかしてないがな。チョッピリ気持ちは分かるよ、この子の心の叫びがさ。でも、現実はそこから這い上がれなければ一人前とは言えないからな。自分の思い込みなんだよ。俺は若いねぇって笑ってたが、それをバカにしてると取る傾向がある。以前育ちがいい中学生も切れたことがあったな。父兄が説明してくれて事なきを得たが。自分がいっぱしだと勘違いしてるし、それはどうしても譲れないんだろう。外で経験してくるといい。彼も短い期間ではあったが俺の生徒だ。元気でいてほしいね。