一人の道場生が退会

辞めたと言っても、何のために練習しているのかが見えない人だった。基本的に自分と向き合う時間が空手ではなかった。自分と向き合うならマンツーマンでもいいはずなんだけどね。基本的に目立っていたい人だったね。俺も相手にはしていなかったよ。その人の旦那さんも居合をうちで稽古しているが、「仕事をそっちのけで役職に就くことばかりだ」と言っていた。旦那さんは居合を仕事でたまった毒を浄化するためにやっているという。夫婦でその点考えが合わないのに、今までよくやってこれたな。いずれにせよ、うちの道場生にもいくつか迷惑をかけていた人でもあった。高山君とは真逆な道場生だった。高山君は役職も何も関係ない。ただただ自分のために空手をやっている。あ、この辞めた人も自分の為なのか。目立ちたいだけだったが。少年部にも一人目立とうとしている奴がいるけど、練習は全然集中していない。目立ちたいのは結構だが、他の人より練習して目立ちなさい。じゃないと目立つと言っても、うざったがられるだけだ。ん?俺は目立ってる?裕子は言うね。目立とうなんて意識は全然ねぇンだけどな。俺は自分という個性を自信持って開き直ってるからな。この人も自信がなかったのか。まぁ、自分の思う道を進んでみなって。中身知らずで役職つけることが自分の為と思う人もいるからさ。うちではお呼びじゃないが。