ヤバイお客さん

タクシー乗務中、たまたまあるお客さんをとあるアパートで降ろして、日報を書いていたんだ。そしたらそのお客さんの隣の玄関から女性が来て、テレビを売りに行きたいので、テレビを積んで乗せていただけますか?との事。全然問題ないから承諾。大きなテレビを二人で運んだ。どうやらアパートを引き払うところのようだった。土足で上がったからな。いざ店に行ってみたら、まだ開店前。待つというんだよ。料金は当然上がる。おまけにこの女性、1人事のように喋り出すんだ。伊藤博文だの、尾崎だの。誰とお話しされてたんですか?と聞くと、こめかみ差して、ここに内臓されてるんです。という。テレパシーだっていうんだ。実は私、誘拐されて来て数年経つんです!なんて更に俺に言う。超有名人の子だとも言う。更にお金を持っていない。売ったテレビのお金で払うと言うんだ。万一お金にならなかった場合には親が振り込むと言うが信用できないよな!払えない場合には警察に行くしかないです。と言ったら、それを言うなら問題にしますよ!と怒鳴り始めた。私が一番偉いんだって分かってないなんて言うんだ。こうやって1時間店が開くのを待ったよ。俺自身、変な世界に引きずり込まれたような気がしちゃってな。店が開いてテレビを出しに行ったが、信用できないから店の玄関まで行ったよ。無事お金になって払う時になったら急に上から目線。信用しないで店まで来て!問題にしますからね!というから、はい、問題にして下さい!と言ってお金をもらってお客さんを降ろした。頭が良すぎて変になっちゃったのかなぁ…終わってホッとしたよ。