空手のイメージ

以前小学6年生の女の子が空手の体験にきてね。そのおばあちゃんと、母親も一緒だった。でもこの母親とおばあちゃん、「女の子が空手をやるものじゃない。そんな野蛮なものは男子がやるもの」と決めつけて来てるんだよ。それもこのおばあちゃん、はっきりそれをみんなの前で言うんだからさ。たまたまうちの女子が休みだったし、女子は俺の娘二人だけだったもんだから、「師範の娘だからやってるんだ」と決めつけちゃってね。たまたまはやと君がケガしてて見学だったんだけど、空手イコールけが人が出るになっちゃってね。もう俺も弁解しようがなくてね。一緒に見学に来ている父兄も唖然。ここまであからさまに言う見学者にもがっかりだけど、よくもはっきり俺の前で言うねぇ。空手も武道だよ。喧嘩じゃない。柔道は正義で空手は悪のイメージは昔の漫画、空手バカ一代で払しょくされたと思ってたよ。昔、柔道一直線の漫画では空手は悪者と決めつけられてたけどな。ああいうのって迷惑な話なんだよな。柔道は悪なんて思ってないけど、空手より柔道や合気道のほうがケガは多いぞ。だけど空手は要は殴り合いだ。実際は殴るというより打つといった方がいいんだけどさ。おかげで空手は力でねじ伏せるイメージが強くなっちゃったね。喧嘩させるなら狂暴になるかもしれないね。でもそんな感情なんて素人の喧嘩みてぇに空手では通用しねぇんだからさ。冷静さが必要になってくるんだ。それこそ人間は丸くなってくるぞ。俺も喧嘩を引退した覚えはないけど、喧嘩する気力もないだろうしなぁ。ましてや道場でけが人が出るなんてここ15年で片手で数えるほどだよ。昔の道場は確かにけが人が多く出たのも事実だが。でもけが人が多く出る道場というのは指導者の資質の問題だ。道場でケガがあってはいけない。