強くなるではなく弱くなる方法

空手に限らず強くなる方法だけが武道だと思い込んでる人は多いだろうね。精神面は強くなるかもな。それだけかもしれないが。組手なんかはいずれ弱くなるんだよ。年齢とともにね。だけどむざむざやられればいいわけじゃない。相手の求めに応じるんだよ。オリンピック柔道のメダリストクラスで相手の求めに応じつつ、相手を幻惑させて勝つような人もいるから重要だよ。相手に応じてられるか!相手に一の力も出させずに勝つ。というのは若手だ。強くなるばかりでは限界が来る。武道には弱くなる方法もあるからな。俺は居合をやることで気が付いた。重要なんだよ、弱くなるってさ。プロレスのアントニオ猪木も試合中に何げなく間合いを外したりした試合があった。当時は気が付かなかったが、今思うと武道家としても一流のものを持っていることが分かる。ただのビジネスショーではない。専門家にさえも「こいつは本物だぞ」と言わせるようなことを一瞬見せるからな。一見すればただ逃げてるだけじゃねぇかって思うけどさ。そんな甘いもんじゃない。日本武道くらいじゃないのかなぁ。弱くてもいいという概念があるのは。それは他をよく調べてるわけじゃないから違ったらごめんね。対敵という概念すら覆えしちゃうものを持つ。それが日本武道だ。