空手の威力

最近の若い空手家は一撃必殺なんて眼中にないけどな。俺が若いころ、無門会では緑帯にもなれば一撃で相手を倒せるくらいの威力を持っていた。だから組手になると、お互いが簡単に動けない緊迫した試合展開になることが多かった。今は無門会もそういう練習はできないだろうなぁ。道場生自体、昔のきつい練習ではついてこれないから、経営上あの地獄の練習は希望者のみに絞ったと聞いた。

話がそれたか。「空手の威力をつけるには筋トレですか?」と先日少年部の父兄に聞かれたんだけどさ。中心力と言っても分かんないだろうなぁ。柔道や相撲などで投げられまいと踏ん張る力だと言えばいいか。相手に突きが当たって、自分がその衝撃に耐えられなければいけないからな。力で押すのとはわけが違う。体当たりの要領で自分の体重を拳に乗せて当たり負けしないことだ。空手の形で得られることは得られる。筋トレをへたにやるとかえってスピードが落ちてしまうからやり方を気を付けなければいけない。その点プロレスの神様カールゴッチはそれを知っていたと思う。沖縄剛柔流空手の練習法などもおそらくは研究していたんじゃないかなぁ。長年空手をやってると投げられないようになってくる。地球の引力に逆らわなくなってくるからで、地球の引力を借りるとでもいえばいいかな。