道場指導

純和会熊田道場の少年部は集団稽古だ。こうなると空手の本質は指導できない。だからこそ、武道の本質に近づけるべく稽古を少年部の生徒を選び出して選抜クラスがある。でも、あまり組織的にしちゃうのもよくない。武道も芸道などが衰退の道をたどるのも、宗家制度だの徒弟制度が権力主義に陥りやすい可能性があると思っているからだ。空手が沖縄から日本へ伝えられる以前、沖縄では道場もない、空手をやっていることも秘密にしていたという。俺はそこまですることはできないけど、あえて師範代を置いたりして上は楽するなんて考えを起こさないようにしている。少年部、一般部男性に関しては俺が直接、なるべく自分も体を動かしながら指導するようにしている。少林寺拳法創始者は最初は自宅で7畳くらいの部屋で一人ずつ指導していたという。コツコツやってたんだよ。正直、身体がしんどい時もあることはあるよ。それが仕事だもんしょうがねぇじゃねぇかってな。でも、肩こりだの腰痛だのとは無縁だ。治療家でもあるからな。そのくらいじゃなきゃ治療家になる資格はないよな。

話は変わって、4月から教室が増える話が出ていたが、なくなるかもしれない。その話を持ち出した道場生の酒井さんが経理の面でもめているらしい。話をよく聞いたわけじゃないが、酒井さんの言ってることに賛成だった。もし酒井さんの交渉が通らなかったら、この話はなくなる。けど、しょうがないよ。そこで欲張ってもいいことねぇしな。俺はあくまで師範でありたいからさ。その教室の経営に関しては酒井さんにお任せするつもりでいいるよ。