闘わずして勝つ

無門会のユッタリズムはまさしくそれだ。俺は清心流を通してその境地が分かったところだ。無門会と形は異なるが。素人に言わせれば、それはあり得ないことだとかいうだろうけど、よくよく考えれば当たり前の光景だ。空手の組手で会得しようとするなら、心技体そろっての話だ。気迫だけで何とかなると思っていた時期もあったが、一部の人間にしか通じない。組手の勝ち負けも大事だが、精神面の落ち着きは何よりも大事だ。さっき、当たり前の光景と言ったが、どの職場でも消費者の言いがかり、クレームなどは当たり前のようにあるだろう。(うちにはないけど目安箱を設けている。)それにカッとなって消費者に何か言おうものならそれは大変なことになる。喧嘩にならぬよう、勝つ消費者も納得する方向へ導くようにする。職場に限らないよな。プライベートでもあるだろう、それは。尤も俺は常々落ち着いているように思われるかもしれないけど、俺は元々熱くなっちゃう人間だ。組手でこの境地へ行ったからといって、人間が出来てるわけじゃないよ。数年前、運転代行のバイトで、お客に嫌がらせを受け、「この野郎!!」となって、周りに止められ、所長と一緒に謝りに行ったしな。裕子も所長に謝っていた。尤もその会社にもスタッフを守る意識がなく、常識のないお客に媚びを売ったりしてる会社であるのは確かだ。闘わずして勝つ。大元、そういうことが可能な環境を作ることが先決だろう。