純帆の成長 でもまだまだ…

最近は口余すんだよね。特に母親の裕子に対してね。裕子はそれほど練習しているわけでもないし、純帆は週3回休まずに稽古している。ちょっと自信もついてきたんだろうなぁ。昨日、稽古が終わったひと時、純帆が裕子に手を出してきてね。裕子は軽く応戦。純帆はどうしても勝てなくて泣き出してしまった。まだまだ体格的に勝てるわけないよな。でも、気持ちが強くなってきた証拠だ。勝てなかったのはいい勉強だ。チョット強くなったからと言って、誰にでも勝てると思ったら怪我をする。練習してなくても強い人はいる。純帆も勝気は半端ない。見た目はおっとりしてるが、性格が真面目だから組手なんかやるとどうしても勝つ気満々でやろうとする。それがある意味欠点でもある。稽古はとにかく手抜きなんかしない。小さい子はどうしても気分によって手抜きしたりするもんだが、この子はそういうことはしない。俺の前でそんなことしたら怖い目にあうことはよく知ってるしな。俺が手抜きしないから、その中で育ってるし、それが当たり前と思っているのかも知れない。勝つ考えは持つな 負けぬ考えは必要 と道場訓には書いてある。純帆に足りぬものはこれじゃないかな。勝つ考えと負けぬ考えは一緒じゃないかという大人の声もあるが、これを知らぬ大人は大体において、世間知らずが多い。説明しても無駄な結果に終わるケースが多い。実際に稽古している子供の方が知ってたりする。強いものが勝つのではなく 勝ったものが強い の区別と同様だ。