時代の変化

これはスポーツ界全体に言えることだけど、今はプロですらしごくような時代じゃないんだよね。根性論と言って、基礎体力ばかり、それに耐えてこれたら技術を習う。野球の世界は特にこれが強いようだね。最近道場の在り方にも気づきがあってね、それで深く考えたんだよ。空手家の柳川昌弘先生は理から入ると上達が早いと言っていた。上達が速いだけじゃなく、間口が広がるよ。それで本当に楽しさを知り、もっともっと強くなりたいと思うようになってから、基礎体力だのやればいい話でね。だから、俺は最近は初心者クラスはやめ、少年部と一般部のみにして、特に最近入門した生徒には技を教える。上級クラスなどなくても、上級者は初心者を相手にしても上達するのが分かった。いや、初心者を相手にした方が、自分の技を緩めて、初心者に反撃させ、それをまたかわして反撃するなど、上級者同士ではできないことだ。プロレスラー藤原組長もそういう。うちなんか道場生が多いわけじゃないからね、なおさら必要なことだよ。強い人が上達できなくて可哀そうだという人が以前いたが、それは素人考えであって、ボクシングの世界チャンピオンだって、いつもチャンピオンクラスと練習しているわけじゃない。下のクラスと何度も練習して技を磨く。ブラジリアン柔術の世界なんか以前からそういう方法でやってたらしい。日本のような根性論は元々ないからなのかもしれないが。だから技術レベルは高いし、世界チャンピオンと一般人が一緒に稽古しているという。スポーツ界は考え方を変えていく時期だ。