応用は基本ができてから…?

空手で言えば、基本稽古をしっかりやってそれが出来てから組手をやるっていう考えだね。一見すごくいいように思われがちだけど、それは無理な話なんだよ。車の免許を取るのも同じだけど、実際に車を運転しなきゃ基本が大事なんてわかるわけもないんだよ。ある程度実力がついてからなら基本がわかるというものでさ。基本というのは帰納的なものであってね。空手でも組手をこなしてもいないのに、基本を知るというのは無理なことなんだよ。だから応用ができる頃には基本ができるというわけで、空手の形をうまくこなせるようになれば組手ができるかっていえばそれはないもん。形に戻るようなものだね。復習の意味でさ。その点はき違えてる人が多いんだよね。見学に来た父兄に言われたことがあったけど、その点はきちんと説明したよ。基本は説明して頭で理解するというよりは実際にやってみて体で理解するものだ。体感して初めて経験というのであってね。頭で覚えてるうちは技術でもなんでもないもん。