御代田保育所入所式

うちの娘二人が通う保育所の入所式。二人は進級だ。長女の純帆はあと一年通えば小学生。俺は今年保護者会会長をやらされることになった。前日にあれとこれとやることを言われて、「ちょっと待って、俺、メチャクチャ容量悪いからせめてカンペ書いて」って所長先生に頼んでね。いざ本番。カンペ読むのが精いっぱい。保護者を見渡す余裕なんてあるはずもない。とにかく読むだけ。たった十秒そこそこなのにね。裕子には目立ちたがり屋って言われるけど、俺はそんな自覚はないぞ。勝手に目立っちゃうだけでさ。入所式最中、俺はずっと所長先生の隣に座っていた。裕子には「やくざの親分みたいだった」だって笑われたよ。ホント、ああいう挨拶事、俺は苦手なんだよ。俺が会長をやる羽目になったのは去年まで裕子が監事だったせいで、周りが来年度の会長は俺って決めつけちゃって俺はやることに。車には純和会のステッカーが貼られてるからね。おまけに変にガタイのいいおっさんが娘を迎えに行くわけだ。その時点で俺は目立っちゃうんだよ。おまけにスキンヘッド。子供たちに指差されて「すみほちゃんのおとうさんはげてる~」だからな。