習い事

昔は空手道場は習い事っていう概念じゃなかった。結構お偉いさんが稽古していた。人をどうしたらコントロールできるかっていうことを考えていたのかな、当時の俺みたいな血気盛んな人間もいた。我が物顔だったけどさ。少年部の精神面を鍛えるとかはあるにはあったけど、道場自体、そこに力を入れることはなかったもんなぁ。

今の時代は子供のお習い事だ。でもね、子供は皆真剣だ。大人から見ればこんなガキがと思うかもしれないが、そういう目線の大人は稽古についていけてない。習い事だと言って、大人も簡単に考えちゃうのかもしれない。いくつも習い事やって、一つも身につかない人をよく見かけるようになってきた。今回辞めた子には習い事だけで月30万円もかけていたという。いくつか辞めるとは言ってたが、おそらくは伸びないと思ったものを切り捨てただけで、結局はまた違う習い事も一緒にやっちゃうんだろうが。結局は同じだ。

道場も時代の動きに合わせなきゃいけないが、伸びないことを逆切れしちゃう父兄が多いからね。今の時代は。そこまで合わせていたのでは空手に専念し、真剣にやっている少年達に失礼だ。精神鍛錬は何も子供だけじゃない。俺は今この道場で自分を追い込むべく鍛錬を続けていくよ。でも、言っておくが、空手一筋というよりは何か武ではなく、文も一緒にやることはいいことだと思ってるよ。文ではないが、陸上と空手を両立することで花が開く場合もある。空手バカがいいとは思わない。一般人も仕事と空手を両立すると空手にも仕事にもいい影響が出ると思う。忙しいことで空手をやらなくなっちゃう人が多いが実にもったいない。生活の一部だな、俺にとっての武道は。