以前、道場を退会した子

前に辞めた女の子が今、幼稚園に通ってるうちの道場生の女の子と同じ幼稚園でね。「みりちゃん、まだ空手やってんの?私は女の子だから殴り合いなんか野蛮なことはやらない」と言ってきたそうだ。幼稚園生がこんなこと言うはずないから、おそらくは親が稽古についていけなかった言い訳を子供に教えたんだろうけど。ちょっとがっかりだね。親の教育がさ。素直についていけなかったと言った方がかわいげあるけどさ。これを聞いて怒ってるのは嫁の裕子だ。母親に会ったら「みりちゃんはホント楽しんでやってますよ」はっきり言ってやるよってね。道場生を陰険ないじめ方しようというのは腑に落ちない。辞めて言った母親のことは俺はよく覚えてないが、まさかこんなことを子どもに言わせる人には見えなかった。でも、その女の子はテレビのコマーシャルで空手をやっていた女の子を見て、空手をやろうと入門したんだよね。確かに緊張感のない子だったし、それを教えることが出来る親でもなかったのは覚えてる。みりちゃん、同じクラスにはなりたくないと言っているよ。確かに道場を中途半端でやめた子は後々うちの道場を意識し始める子が多い。もう、空手に未練なしというくらいまで空手をやってからやめないと残るよ。堂々と辞めた子はその点、俺と会ってもしっかり挨拶していく。黒帯になったからと言っても未練残してるんだか、裕子に道場のことを聞きたがる子がいるくらいだ。